冬の奄美大島に降り立った日、空はどんよりと曇っていた。
3歳の息子と一緒の旅は、天気ひとつで予定が大きく変わる。青い海を期待していたぶん、行き先を決めきれずに車を走らせる日も少なくなかった。
それでも宿を変えながら過ごす夜や、雨の日でも楽しめた場所探し、家族で漕いだマングローブカヤックなど、少しずつこの旅を形作っていった。
そうして迎えた最終日、雲の切れ間から現れた海の色は、これまでの時間をすべて肯定してくれるような鮮やかな”奄美ブルー”だった。
- 期間:2025年12月24日〜12月28日
- メンバー:僕+妻+息子(3歳)
- 移動:飛行機+レンタカー
- 天候:曇天が多め
関空から冬の奄美大島へ上陸

奄美大島への移動は、自宅から電車を乗り継いで関西空港へ向かうルートを選んだ。 5日分の荷物を考えると車移動の方が楽ではあるものの、日程分の駐車場代を考えると、家族3人分の電車代の方が割安という現実的な理由がひとつ。

そしてもうひとつの理由は、3歳の息子。 最近プラレールにどっぷりハマっていて、大阪難波と関西空港を結ぶ特急「ラピート」をどうしても間近で見せたかった。 関西圏以外ではあまり馴染みがないかもしれないけれど、親の自己満足も込みで電車移動を選択。

関西空港駅に到着。妻と手を繋いで歩く息子を見て、ここまでの移動が驚くほどスムーズだったことに気づく。 乗り換えも問題なく、何より息子が終始いい子にしてくれて、電車移動は思っていたよりもずっとストレスが少なかった。
とはいえ荷物は多い。 キャンプ道具はすべて僕担当で、大型のバックパックとダッフルバッグを前後に背負い、 さらにキャリーケースを片手で引くスタイル。 側から見れば、中高生が罰ゲームで全員分の荷物を持たされている、あの感じに近かったと思う。
車両が変わるたびに網棚へ荷物を上げ下ろしする必要があり、人が多い区間ではなかなか気を遣った。

今回搭乗するのはpeachなので、第2ターミナルへ連絡バスで移動する。 長い車体に後ろ向きで走る独特の構造が珍しいらしく、息子は窓に張りついて外を眺めていた。 ちなみに僕はかなりの乗り物酔い体質なので、バス移動は正直ちょっと苦手。
チェックインは想像以上にスムーズ。 手荷物検査でモバイルバッテリーやランタンが引っかかり一部は手荷物へと変更になったが、 火器類やガス缶は最初から現地調達前提だったため、大きなトラブルはなし。
飛行機移動でのキャンプ旅は、事前の情報収集と準備がすべて。このあたりはしっかり詰めておいて正解だった。

今回はpeachの早割セールを利用し、家族3人・スタンダードプラン・座席指定込みで往復約45,000円。奄美大島までは片道およそ1時間30分。
移動距離、時間効率、体力消耗を考えると驚くほどのコストパフォーマンス。 北海道まで自走で1,000km走る旅と比べると、あまりの楽さに少し泣きそうになる。

機内ではチュッパチャプスを口にくわえ、すっかり余裕の表情。 親の心配をよそに息子はフライトを楽しんでいるようだった。



奄美空港に到着。 エスカレーター脇には地元名産の焼酎瓶がずらりと並び、 外に目を向けると「いもーれ奄美へ!」の看板が出迎えてくれた。 空港前にはレンタカー各社が並び、予約客を次々とピックアップしている。
僕らはちょうどその回収に乗り遅れてしまい、そのまま歩いてレンタカー会社へ向かうことに。徒歩で5分程度なのでさほど気にならない距離。

空港すぐそばの「奄美レンタカー」で、軽バンのハイゼットをレンタル。事前に予約していたので受付だけ済ませばすぐに乗り出せた。計画段階では妻と息子だけ車中泊する可能性も考えていたことと、以前エブリィに乗っていた経験があり、扱いに慣れている車種だったのが決め手だった。
料金は4日間で約15,000円と破格、車種にもよるが他の都道府県と比べると相場が安いらしい。 奄美大島は離島の中では日本で3番目の広さを持ち、観光するならレンタカーはほぼ必須。
ここから、島旅が本格的に始まる。
曇天の奄美、行き先探しの日々


奄美滞在の前半はほとんどが曇天で、頻繁に小雨でたまにスコールが降り注ぐ。あらかじめ天気予報で想定はしていたものの、実際に目の当たりにするとさすがに少しテンションは下がる。
あやまる岬で息子、大はしゃぎ


空港到着してすぐに向かったのは、島の東側にある「あやまる岬観光公園」。大きな遊具やパークゴルフ場が併設された公園で、ここでは息子が大はしゃぎ。同じく関西から来ていた同年代の女の子と仲良くなり、一緒に遊んだのもいい思い出。


有料ながらサイクルトレインや芝滑りは低価格で、どれもとても楽しめた。巨大なパークゴルフ場も併設され、すぐそばには美しいサンゴ礁が広がる。シャワーなどの設備が整っているのも嬉しい。
ホテルのチェックイン時間が迫っていたため、小一時間ほどしか遊べなかったのが残念。広い駐車場が二ヶ所あるので、もし奄美大島に再訪することがあれば、ここで車中泊するのも良さそうだ。
癖が強すぎる「ハブと愛まショー」

奄美大島はハブで有名な島。できれば島内では出会いたくない存在だ。そんな訳で、ハブショーを見るために「原ハブ屋」へ。その名も「ハブと愛まショー」。
30分間で大人800円とそれなりの価格。ただ一日3回しか開催されないこともあり、ちょうど良い時間帯に到着した。待ち時間も少なかったので、せっかくならと鑑賞を決めた。


ここでショーを担当していたおじいちゃんが、とにかく癖が強すぎた。仮に漫画に登場するとしたら「Dr.スネーク」で間違いない。白衣を纏った軽快なトークが自慢……なのだが、奄美訛りがかなりキツく、正直半分くらい何を言っているのかわからない。
生きているハブを間近で見られ、ハブの生態についても楽しく学べて大満足。奄美ではハブを捕まえると3,000円がもらえるそうで、実際に捕獲する様子も実演してくれる。奄美大島に来たら、一度は見ておいてもいいと思う。

店頭に置いてあった500円のハブガチャで手に入れたハブキーホルダー。どうしてこの年頃の子供ってガチャガチャが好きなんだろう。すでに一つ持っているのに、行く先々で見かけるたびに買うようせがまれた。
息子はこのキーホルダーがすっかりお気に入り。後日、大阪に帰ってからもしばらく親戚や友達に自慢していた。そして私物持ち込みが禁止されている幼稚園かばんに、こっそり忍ばせて先生に怒られていた笑
奄美のフィールドを疑似体験

「奄美大島世界遺産センター」では、フィールドを再現した空間で自然を疑似体験できる。マングローブカヤックの予定日に、直前で雨が降り出し、どうしようか迷っていた時の助け舟がここだった。
「道の駅 奄美大島」に併設されていて、料金は無料。気軽に立ち寄れるのが嬉しい。とりあえず時間潰しのつもりで入ってみたのだけれど、ここはいい意味で期待を裏切られた。



アマミノクロウサギなどの固有種の剥製や、生態を解説するモニターが豊富に設置されている。実際のフィールド音がBGMとして流れ、昼夜が15分おきに切り替わる演出も凝っている。時間帯によって出会えない生き物がいるのも面白い。
息子は昆虫が大好きで、普段から図鑑を片手に、僕にいろいろなカブトムシの名前を解説してくれるような子だ。自然豊かな奄美大島で、生き物を見たり触れ合ったりする時間を持ちたかったので、ここは本当に行ってよかった。

息子はどんぐり集めも大好きで、入り口に落ちていたどんぐりに大興奮。日本最大級の固有種「オキナワウラジロガシ」は、まんまるで大きな帽子がとても可愛らしい。
受付のお兄さんが教えてくれたどんぐりの話も面白かった。どんぐりは毎年同じように実をつけるわけではなく、あえて凶作の年を作ることで、捕食する動物が増えすぎないよう調整しているらしい。
息子にはまだ少し難しい話だったけれど、もう少し大きくなってからまた再訪したいと思えた。ここは天候に関わらず、一度は立ち寄ってみてほしい場所。
未完で終わったスタンプラリー

そんな世界遺産センターで見かけたスタンプラリー「アマミッション」が唐突にスタート。島内に点在する5つの施設を巡り、スタンプを集めると景品と交換してもらえるイベントだ。
ただし、コンプリート報酬はすでに配布終了とのこと。それでも各スポットは宿泊地からそれほど離れておらず、デザインも可愛かったので旅の思い出として回ることにした。
順調に各施設を巡り、残る一つのビジターセンターへ向かったのだが……。

なんと、まさかの年末年始休館日。旅の最終日が12/28だったため、ギリギリ間に合わなかった。

すぐそこにスタンプがあるのに……!しかも最終日だったため、他の施設へ戻って景品だけもらいに行く時間もなく、結局スタンプラリーは未完で終わった。
このイベントは妻の希望で回ることになったのだけれど、かなり悔しそうにしていた。年末年始が近かったので、こういうことも想定しておくべきだったなと思う。でも、不思議と未完成に終わったものの方が、強く記憶に残るのが人間なのかもしれない。
宿を変えながら過ごした新鮮な夜

今回の旅では、さまざまな宿泊スタイルを試してみたくて、あえて連泊はせず、場所や雰囲気を変えながら夜を過ごすことにした。移動の手間は増えるけれど、その分だけ夜の記憶が増えていく感覚がある。
ホテルで過ごす快適な夜


初日の夜は旅の疲れを考えて無理をせずホテル泊。宿泊先は「ホテルカレッタ奄美」を選んだ。奄美空港からも車で20分ほどの距離なので、移動も短くとても良いホテル。
ロゴの「C」が亀のマークになっていて、到着早々に奄美らしさを感じさせてくれた。ホテルの前では二匹の山羊がお出迎え。想像していなかった光景に少し戸惑いつつも、こういう力の抜けた歓迎が妙に記憶に残る。


日没間際、客室の窓から見えたのは屋外プールと食堂、その向こうに広がる海と曇天の空。晴れていれば、いかにも南国リゾートといった景色なのだろうな、と想像だけで終わったのが少し惜しい。

室内の鏡は貝殻があしらわれた丸鏡。ホテル名もそうだけれど、海をモチーフにした意匠がさりげなく散りばめられていて、押しつけがましくないのが好印象だった。

この日はちょうどクリスマスイブ。夕食は外で済ませ、帰りに奄美大島では有名な「ビッグツー」で買い出しをした。そこで見つけたチョコレートケーキを、部屋に戻って家族三人で囲む。
いざ食べようとしてフォークがないことに気づき、少し焦ったが、妻がいつも持ち歩いている防災セットに入っていた折り畳みのカトラリーに救われた。
旅先でこういう小さな出来事があると、不思議とその夜の記憶がくっきり残る。
まるで別荘のようなバンガロー

三角屋根の可愛らしい一軒家のような外観の「住用内海バンガロー」、一棟貸しで一泊7,330円、家族四人まで同一料金、追加100円必要だが旅先でのゴミ処理もできるのが素晴らしい。
レンタカーをそのまま横付けできるのは想像以上に楽だった。部屋の名前は「ルリカケス」は初見では???だったが、翌日訪れた世界遺産センターで奄美群島の固有種のカラスの名と知った。


室内は想像以上に設備が整っていて、冷蔵庫、電子レンジ、ホットカーペットまで完備。調理器具や食器類も揃っているが、コンロは一人暮らしで見かける電熱板タイプなので本格的な調理向きではない。
この日は旅の疲れも出始めていて、どのみち無理に自炊しようという気分でもなかった。外にはBBQスペースもあり、天気がよければきっと気持ちがいい場所だと思う。
ただこの日は強風と雨。だからこそ完全に室内で完結できる安心感がありがたかった。風呂とトイレも付いていて、「ここ、普通に暮らせるな」と思わせる快適さがある。


布団や毛布、シーツ類もすべて用意されていて、寝る準備も迷わない。二段ベッドを見るなり、息子は大興奮。二階部分に何度も上がってはしゃいでいた。
目の前には穏やかな内海が広がり、来年度からはカヤックやSUPのレンタルも検討していると管理人さんが教えてくれた。対応もとても親切で好印象。家族で初めてのバンガロー泊は、天候とは裏腹に、静かで満ち足りた夜になった。
奄美の美しさを感じたキャンプ

続いて泊まったのが、奄美大島の最西端に位置する集落・西古見にある「西古見GATE」。瀬戸内町を経由して北上して向かうが、道中はほとんど何もない山道が続くため、食材や飲み物の事前買い出しは必須だ。
廃校となった小学校跡地を再活用した高規格キャンプ場で、敷地中央に立つシンボルツリーの存在感が印象的。車の乗り入れは不可だが、ほぼセミオート感覚で設営できる距離感なのは助かる。2024年7月オープンとまだ新しく、宿泊棟や電源付きサイトも備えている。
ソーラーパネルなども設置され、防災拠点としての役割も担っているそう。過疎化が進む西古見を盛り上げたいという想いが、施設の随所から感じられた。


ここを選んだ最大の理由が、この大浴場とサウナの存在。サイト利用料と家族3人分の施設使用料(入浴代込み)で5,400円という価格は、正直かなり安いと思う。立地次第では、下手なリゾート施設なら軽く一万円を超えてきそうだ。
この日は利用者も少なく、男女ともにほぼ貸切状態。旅先のキャンプ泊は意外と風呂探しに苦労しがちなので、併設施設が整っているのは本当にありがたい。結果的に、この選択は大正解だった。

夜明け前、たまたまトイレで目が覚めて空を見上げると、そこには満点の星空が広がっていた。ここまで雨続きの旅だっただけに、この光景は素直に嬉しかった。
周囲を山々に囲まれた環境は星空観察にも向いていて、すぐ近くにはとても綺麗なビーチもある。都会の喧騒から完全に切り離されて、静かに過ごしたい人にはかなりおすすめできる場所だと思う。

この旅では初めての野外泊で、しかもこの年で一番冷え込んだ夜。最低気温は10度前後と数字だけ見れば大したことはないが、体感的にはしっかり寒かった。
そんな中で頼りになったのがモンベルの寝袋。息子と妻は同じ番手(#3)を使い、ハーフレングスを息子用に流用したが、これが子供の背丈にはちょうど良かった。装備は色々持っていると、思わぬ場面で役に立つ。
ちなみに僕はダウンアノラック+ダウンパンツというスタイル。正直「これでいけるだろう」と思っていたが、若干寒くて寝袋の偉大さを再認識した。むしろ今回はマット選びが雑だったので、次回はちゃんと見直したい。

出発前には、同じ日に泊まっていた地元の子どもたちと少し交流する時間もあった。奥様が元々関西出身で、昔住んでいた地域が近いと聞いて、勝手に親近感が湧いたのも旅らしい出来事。



奄美最後の夜は「小浜キャンプ場」で過ごした。奄美海洋展示館での事前受付が必要だが、人数に関係なく一泊一張り620円という価格はかなり良心的。名瀬市街地から車で15分ほどと立地もいい。
目の前には綺麗なビーチが広がり、夜は波の音を聞きながら眠りについた。朝には妻と息子が少しだけ砂浜で遊べたので、短い時間ながら奄美の海を感じてもらえたと思う。


ただ駐車場からサイトまでは徒歩で5分ほどあり、小さな子ども連れだと正直使いづらさは感じた。また炭火を使った調理が禁止されているため、純粋にキャンプを楽しみたい人にはやや不向きかもしれない。
完全に余談だが、この辺りは毛虫がかなり多い。息子は虫好きなので暗闇の中で歓声を上げていたが、耐性がないと普通に怖いと思う。
マングローブ原生林をカヤックで巡る

冬の奄美を巡る旅を計画した時、真っ先に思い浮かんだのがマングローブ原生林でのカヤック体験だった。奄美大島のマングローブは日本で二番目の規模を誇り、アウトドア好きとしては外せない存在だ。
いくつか運営会社があり、時間設定やプランもさまざま。僕ら夫婦はすでに何度か経験があったので、今回はガイドなしで、できるだけ気軽に楽しめそうな業者を選んだ。

「マングローブ茶屋」は、必要な道具を一式レンタルできて、90分で大人一人2,000円という手頃さが魅力。ガイドと一緒に出発地点まで移動し、ライフジャケットの着用やパドル操作の簡単なレクチャーを受けたら、準備ができた人から自由に漕ぎ出していくスタイルだ。


穏やかな水面に身を委ね、ゆっくりとカヤックを漕いでいく。曇天続きだった空に、雲の切れ間から少しずつ青空がのぞいた瞬間、自然と笑みがこぼれた。
中間地点にはガイドさんが待機していて、進んでいい範囲や引き返す目安を教えてくれる。赤と白の服にフード姿で、遠目から見るとサンタクロースにしか見えず、みんなで妙にテンションが上がった。




左右を木々に覆われたコースは、まるで自然が作り出したトンネルのよう。ところどころ差し込む日差しが、冬の肌寒さを忘れさせてくれる。



念願だった息子との初カヤック。もっと怖がるかと思っていたけれど、意外にも堂々とした漕ぎっぷりだった。パドルの向きを逆にしてみたり、途中で眠くなって思考停止したりと、その自由さがいかにも三歳児らしい。
息子が大きくなった頃には、この体験を覚えていないかもしれない。それでも家族でいろいろな土地を旅してきたことを伝えられるように、こうして写真に残しておきたいと思った。
旅の記憶に残った奄美の味

その土地の美味しいものを味わうのは、旅の大きな楽しみのひとつ。事前にいくつか気になる店は調べていたけれど、あとは流れに任せて、タイミングが合えば立ち寄ろうというスタンスだった。
振り返ってみると、実際に回れた店は多くなかった。息子の機嫌や家族それぞれの好み、ランチの営業時間、年末での休業など、子連れ旅ならではの制約を強く感じる場面が多かった。
地元店の味が意外と侮れない

ご当地グルメは、必ずしも飲食店だけにあるものではない。スーパーで買い出しをする時は、つい地元らしい食材を探してしまう。そんな中で見つけたのが、この鳥刺しだった。
鹿児島県では、鶏肉を刺身やたたきにして甘口醤油で食べる文化が根付いている。奄美大島のスーパーでも定番で、生ものに抵抗がなければぜひ試してほしい一品。
部位ごとに異なる食感が楽しめて、価格も数百円ほどと手頃。甘めの九州醤油と生の鶏肉の相性が想像以上によく、思わず感心してしまった。

奄美大島をドライブしていると、やたらと目に入るファミリーマート。というのも、島内のコンビニはすべてファミマで統一されているらしい。そこで買ったサーターアンダギーが、予想以上に美味しかった。
沖縄の揚げ菓子というイメージが強いが、奄美でもよく見かける存在。朝食や小腹が空いた時にちょうどよく、息子でも安心して食べられる優しい味だった。
飲食店を計画的に回れなかった旅の前半は、こうしたスーパーやコンビニの存在にずいぶん助けられた。地方で出会う何気ない地元の味は、案外あなどれない。
舌でとろけたクロマグロ丼


奄美大島南部の瀬戸内町は、クロマグロ養殖日本一の町として知られている。「島魚 あま海」は、新鮮な地魚を使った海鮮丼が人気のお店で、魚屋にイートインスペースが併設されているような雰囲気だ。
ここで食べたクロマグロ丼は、まさに絶品。ほどよく脂ののった身と甘口醤油の相性が抜群で、価格が2,000円を切るのも嬉しいポイントだった。
打ち上げの夜、島料理を堪能


奄美最終日の前夜は、レンタカーを停めて名瀬の街を散策。やんご通りを歩いていて見つけた「郷土炉端みず季」が、予約なしでも入れたのでそのまま入店した。

家族三人、ジュースで乾杯。旅の締めくくりらしい、穏やかな時間が流れた。


刺身の鮮度はさすがで、甘めの九州醤油との相性も安定感がある。炭火で焼いた地鶏を使った親子丼も香ばしく、最後の夜にふさわしい満足感だった。
座敷でゆったり過ごせて、子連れでも安心できる雰囲気がありがたい。落ち着いた空間で美味しい食事をすると、自然と気持ちにも余裕が生まれる。
伝統的な郷土料理で旅を〆る

奄美の郷土料理といえば、やはり鶏飯は外せない。名瀬と奄美空港の中間にある「けいはん ひさ倉」は、旅程にも組み込みやすい立地だった。
帰阪当日だったので、開店と同時に入店できるよう調整。提供もスムーズで、食べ終わる頃にはほぼ満席になる人気ぶりだった。



鶏飯は、ご飯の上にさまざまな具材をのせ、鶏ガラスープをかけていただく料理。この店ではご飯もスープもおかわり自由なのが嬉しい。
あっさりとしながらも鶏の旨みがしっかり感じられるスープで、具材の組み合わせ次第で味の変化も楽しめる。息子はなぜか錦糸卵とご飯だけを黙々と食べ続けていた。
最後に待っていた奄美ブルー
大阪へのフライト時間が近づく中、最後に景色の良い場所を求めて車を走らせた。



ドラゴン砦やあやまる岬から眺める海は、場所や時間、光の加減で少しずつ表情が違う。それでも確かに「奄美ブルー」と呼びたくなる色だった。
旅の前半は思うようにいかないことも多かったが、家族と話し合いながら少しずつ歩調を合わせてきた。最後にこの景色を見せてくれたことで、この旅そのものを肯定されたような気がした。
「また来たいな」と自然に思えた。次はきっと夏。息子と一緒に海に入って、シュノーケリングやカヤック、SUPも楽しんでみたい。
この旅を通して感じたこと
はじめての家族での飛行機旅は大変だったけれど、新しい可能性を感じる旅でもあった。特に宿泊スタイルをいくつか試せたのは、大きな収穫だった。
以前は、快適すぎると“旅”ではなく“旅行”になる気がして、野営や車中泊にこだわっていた。でも今は一人じゃない。家族で体験を共有するなら、旅と旅行の境界を少し曖昧にして、柔軟に考えることも大切だと感じた。
自然や景色を満喫する場面は少なかったけれど、家族と過ごした時間が何より心に残った。うまくいかないことも含めて、話し合いながら前に進めたことが、今回の旅の一番の収穫だったと思う。
今回使ったカメラ機材


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