かまくらの灯りから日本海航路へ|冬の東北を巡る旅

本ページはプロモーションが含まれています。
ミニかまくらを眺める妻と息子の横顔

冬の東北へ向かう道のりは、果てしなく長く感じられた。それでも高速道路の窓越しに流れる景色は、凍てついた朝の空気と一体になり、やがて白銀の世界が姿を現す。

横手で迎えた初めてのかまくらの夜は、雨に打たれて思い通りにならない時間だった。けれど、息子の小さな手を引きながら歩いた雪道には、どこか確かな温もりがあった。

予定を変えて、ふたたび灯りを追いかける。その先に広がっていたのは、夜の川原に静かに瞬く無数の光だった。

そして旅は、日本海へと続いていく。凍てつく北の大地から、穏やかな海の上へ。はじめて乗る長い航路は、静かにこの冬を包み込むように進んでいった。

旅メモ
  • 期間:2026年2月12日〜2月16日
  • メンバー:僕+妻+息子(4歳)
  • 移動:自家用車+フェリー
  • 天候:晴れ時々雨
目次

灯りを目指して北へ向かう

車内で着替える息子

幼稚園終わりの14時にピックアップ。車内でさっそく着替えを済ませ、旅モードに入る息子。ここから約1,000kmの高速ドライブ。

冬の東北へ向けて、ゆっくりと走り出す。

ハンバーグに誘われて浜松へ

車内から見る夕暮れの浜松サービスエリア
マジックアワーに包まれる空を運転中の車内から見る

秋田へ向かうなら北陸自動車道経由が最短ルート。けれど今回は、どうしても「さわやか」のハンバーグが食べたかった。

そんな理由で、新東名を選んで静岡方面へ。夕暮れどきの浜松サービスエリアでひと休みすることにした。ところがここで想定外。

さわやかは基本的に木曜定休で、この日は一部モール店舗のみの営業だと知り、少し焦る。一度その気分になると簡単には変えられないのが我が家。

なんとしてでもたどり着きたい夜になった。

交差点から見る浜松駅前
さわやか新静岡セノバ店舗

そこで向かったのは浜松駅前。

営業している店舗の中から、新静岡セノバ店を目指すことにした。実は以前転勤で浜松に一年ほど暮らしていたことがある。その頃よく通ったのが、このさわやかだった。

旅の途中でどうしても立ち寄りたくなったのは、少し懐かしさもあったからだ。

さわやかは公式サイトで各店舗の待ち時間が確認できるのがありがたい。浜松駅に着いた時点で表示は約2時間待ち。本来なら気持ちが下がるところだが、今回は想定内だ。

先に家族全員でお風呂を済ませる予定にしていた。駅から徒歩5分ほどの入浴施設をあらかじめ調べておいたので、移動もスムーズ。そして湯上がりに確認すると、待ちは残り二組。

狙いどおりの流れに、思わず顔がゆるむ。

さわやかの乾杯ドリンク

さわやかには「乾杯ドリンク」というちょっと楽しいサービスがある。店員さんも一緒に声を合わせて、この旅の始まりに乾杯。

鉄板に押し付けて焼かれるさわやかのハンバーグ
半分に割られた生焼けのさわやかハンバーグ

看板メニューのげんこつハンバーグは、やっぱり外せない。目の前で半分にカットされ、断面を鉄板に押し付けて焼き上げるパフォーマンスも含めての一皿だ。

表面はカリッと香ばしく、中はほどよくレア。仕上げのソースも店員さんが目の前でかけてくれるが、我が家は自分で調整する派。

妻は前半を塩胡椒で、後半はオニオンソースをたっぷりとかけて楽しむのがお気に入りだ。デミグラスも選べるが、個人的には断然オニオンソース推し。

さわやかのハンバーグを頬張る息子

息子にとっては、はじめてのげんこつハンバーグ。どうかなと見守っていたが、予想以上の食べっぷりに驚いた。気に入ってくれたようで、なんだか少しうれしい。

さわやかの焼き野菜カレー

以前から気になっていた焼き野菜カレーも注文。スパイスがしっかり効いた本格派で、とろけたチーズとごろっと入った野菜の相性がいい。隠れた名物だと思っている。

厚木パーキングエリアで車中泊

満腹のあとは、厚木パーキングエリアまで移動して車中泊。

静岡を経由したぶん、思ったより距離は伸びていない。少し焦りもあったが、眠気は限界。何より妻と息子にはしっかり横になってほしかった。

サービスエリアより落ち着くかと思って選んだパーキングエリアだったが、夜の駐車場には大型トラックがずらり。それでも、この日の移動はここまでにすることにした。

高速道路で北へ進む時間

早朝の厚木パーキングに並ぶ大型トラック
カーナビに映る渋滞を示す赤い印

朝は厚木パーキングエリアで迎えた。駐車場には大型トラックがずらりと並び、エンジンのアイドリング音が響いている。もう少し眠れないかと思っていたが、意外にもぐっすりだった。

出発して間もなく、カーナビには赤い渋滞表示。少し焦ったものの、ほどなくして流れは回復。大きなロスなく北へ進めたのはありがたい。

長者原サービスエリア
南三陸サーモン漬け丼
タン塩丼

ここからは、ひたすら横手を目指す時間。軽く休憩を挟みながら、東北自動車道を淡々と走る。写真には残していないが、遠くに見える雪化粧の山々が美しかった。

いつか別の旅で、あの山々にも登ってみたいと思う。

昼食は長者原サービスエリアで。妻は「南三陸サーモン漬け丼」、僕は「タン塩丼」を選んだ。名店と比べればもちろん違いはあるけれど、その土地の味を手軽に楽しめるサービスエリアの食事が、実はけっこう好きだ。

近づいてくる白銀の世界

錦秋湖サービスエリア
ロータリー除雪車を見てはしゃぐ息子
雪の塊を手に嬉しそうな笑顔の息子

横手目前、錦秋湖サービスエリアで最後の休憩を取る。入り口には山のように積まれた雪。このあたりが東北有数の豪雪地帯だということを、視覚で一気に理解する。

これまで走ってきた道にはほとんど雪がなかったぶん、その変化は鮮明だった。景色は一面の白。ようやく本格的な雪国に来たのだと実感する。

大型のロータリー除雪車に、息子の目が輝く。手に取った雪の塊を嬉しそうに握りしめる姿を見て、ここまで走ってきた時間が報われた気がした。

かまくらまつりで凍える夜

横手かまくらまつりの無料バス乗り場

無料駐車場は拍子抜けするほど空いていた。平日だからだろうか、会場周辺にも目立った渋滞はない。当初は少し離れた場所にホテルを取り、JRで会場入りすることも考えていた。

でも例年の混雑を思えば、車で来たのは正解だった気がする。横手武道館横の無料駐車場に車を停め、巡回の無料バスで会場へ向かった。

白い横手の街並みを歩く

かまくらを横目に手を繋いで歩く妻と息子
かまくらの隣で雪遊びをする息子
横手かまくら祭り会場の出店

横手市役所本庁舎前に降り立つと、いくつものかまくらが迎えてくれた。ずらりと並ぶ出店に、息子のテンションは一気に上がる。

かまくらの中から立ちあがろうとする息子
かまくらの中からカメラ目線の息子
雪の上で寝転んで遊ぶ息子
そりすべりコーナーで遊ぶ妻と息子

雪を見るなり駆け出し、かまくらの前で立ち止まり、また走り出す。そりすべりは特に気に入ったようで、何度も登っては滑るを繰り返していた。

親としては、かまくらの中で落ち着いた写真を撮りたかったのだけれど、そう簡単にはいかない。入ったと思えばすぐ立ち上がり、じっとしてくれない。

そんな慌ただしさも含めて、冬の夜はにぎやかだった。

かまくらの灯りに癒される

夕暮れのオレンジに灯るかまくら
かまくらの祭壇とお供物
かまくらでもてなされた豆餅と甘酒

空がゆっくりと暗くなるにつれて、かまくらの中に灯りがともる。白い雪がオレンジ色に染まり、街の空気がやわらぐ。

地元の方に声をかけていただき、かまくらの中へ招いてもらった。外の冷気とは別世界のような暖かさ。甘酒と焼いたお餅を振る舞ってもらい、身体の芯からほどけていく。

その優しさに、心まであたたまった。

横手小学校前の信号待ちの列

けれど、その頃から小雨が降り始める。

予報で見ていたはずなのに、どこか他人事のように捉えていた。車検直後で荷物を整理したばかり、傘を積んでいなかったことをここで悔やむ。

コンビニはある。でも、戻るには少し遠い。気づけば服はじわじわと濡れはじめていた。

ミニかまくらを眺める妻と息子の横顔
ミニかまくらを眺める妻と息子の後ろ姿

横手小学校に到着すると、まずは軒下でしばらく雨宿りをした。幸いにも雨は次第に弱まり、やがて止んでくれた。濡れた空気の中、灯りをともしたかまくらが静かに浮かび上がる。

そのやわらかな光に、張り詰めていた気持ちがすっとほどけていった。身体はすっかり冷え切っていたけれど、この灯りがもうひと踏ん張りする力をくれた気がする。

ここから少し歩いた先に、メイン会場のひとつである横手公園行きのバス乗り場があった。もう一度だけ、夜の会場を目指すことにした。

動かない巡回バス待ちの列

横手小学校近くで巡回バスを待つ列

夜になると、各会場を巡るバス乗り場には目印の大きなバルーンが浮かぶ。その下にできた長い列に、すがるような気持ちで並んだ。

バスは到着する。けれど乗れるのはほんの数人。ほとんどがメイン会場の横手公園や蛇の崎河原へ向かう観光客で、空席はほとんどない。

待っても、待っても、列は思うように進まない。雨はやまず、ダウンは湿り、カメラ機材も気になる。息子は歩き疲れ、妻の表情にも疲労が滲む。

横手公園を目指し雨の中を手を繋いで歩く妻と息子
ライトアップされた横手城とかまくら
横手公園から見る夜景

意を決して、横手公園まで歩くことにした。

高台にある会場へ、緩やかな上り坂をひたすら進む。小雨の中、約二十分。ようやく辿り着いた横手城とかまくらの構図は、確かに美しかった。

けれど人が集中しすぎていて、落ち着いて味わう余裕はない。遠くに見えた蛇の崎河原の灯りも、その夜は追う気力が残っていなかった。

冷雨に濡れた帰り道

横手公園会場で巡回バスを待つ列

会場を後にする決断は、思いのほかあっさりだった。けれど、ここでもバスは長蛇の列。

雨に打たれ続け、身体の芯から震える。傘という存在のありがたさを、これほど痛感したことはなかったかもしれない。

幸い、横手公園はメイン会場だけあってバスの回転は早い。市役所前まで戻ると、すぐに駐車場行きのバスに乗り換えた。

コインランドリー前で駐車する雨に濡れたハイエース
丸亀製麺横手店
丸亀製麺のカレーうどん

濡れた上着はコインランドリーの乾燥機へ放り込む。湯気の立つ店内へ逃げ込むように入ったのは丸亀製麺だった。

どこにでもあるチェーン店。でも、その夜のうどんは驚くほど美味しかった。山でもそうだが、何を食べるかよりも、どこで、どんな状況で食べるか。その方がずっと記憶に残る。

盛岡で迎えた夜、連結の朝へ

高松公園の東屋とハイエース

不完全燃焼な気持ちは残っていたけれど、息子の念願だった「はやぶさ-こまちの連結」を見るため、盛岡へ向かった。

眠たい目をこすりながら家族でお風呂に入り、そのまま盛岡市街地にある高松公園で車中泊をすることにした。

岩手山に抱かれた美しい車中泊

高松公園で車中泊
白く染まる岩手山と盛岡市街地
雪が積もった高松公園の遊具と息子
薄い氷越しに見える息子の笑顔

高松公園は想像以上に大きな公園だった。一部の駐車場は夜間も施錠されておらず、静かな車中泊ができる。大きな道路から離れているおかげで、夜は驚くほど静かだった。

暗いうちは気づかなかったが、朝カーテンを開けて息をのむ。白く染まった岩手山が、盛岡の街を包み込むようにそびえていた。

少し高台の住宅地からの眺めも格別だった。

そして、目覚めてすぐの息子はテンションMAX。積もった雪と遊具のある公園という最高の舞台に、朝から全力で駆け回っていた。

念願のはやぶさ-こまちの連結

盛岡駅前を走る大型バス
盛岡駅の入場券
はやぶさ-こまちの出発時間を示す電光掲示板
隣同士に並ぶ新幹線はやぶさ

盛岡駅近くのコインパーキングに車を停め、構内へ。見学用の入場券を家族三人分購入する。

連結が見られるのは11番ホーム。電光掲示板には車両カラーが表示されていて分かりやすい。

ホームに降り立つと、いきなりはやぶさがずらりと並んでいて圧倒された。

プラレールを両手に持ちながら連結を待つ息子
はやぶさ-こまちの連結部
ホームからはやぶさと連結したこまちを眺める駅員
こまちの切り離しを見送る妻と息子
こまちの切り離しを見送る観光客達

見学スペースにはすでに多くの人が集まっている。

誕生日に電車図鑑をプレゼントしたほど、息子は新幹線が好きだ。その手には、はやぶさとこまちのプラレール。ちゃんと連結できる、あのモデルだ。

そしてついに、本物の連結。

けれど、連結後に去っていくこまちを見送った瞬間、息子は突然の号泣。慌てて切り離し側のホームへ移動する。「また来よう」と約束し、なんとかその場を離れることを受け入れてくれた。

あんなにも喜び、あんなにも悲しむ。感情を全身でぶつける姿に、妻は思わずもらい泣き。正直、実物を見せたいというのは親のエゴかもしれないと思っていた。

でも、あの涙を見て、本当に来てよかったと心から思えた。

樹氷を諦め、ふたたび横手へ

横手武道館発の巡回バスに乗り込む観光客達

本来ならこのまま北秋田市へ向かい、森吉山で樹氷を見る予定だった。けれど今回は断念。前夜のかまくらまつりがどこか消化不良だったこともあり、もう一度横手へ戻ることにした。

土曜日ということもあり前日より人は多かったが、周辺道路の渋滞はなくスムーズに到着。再び横手武道館から巡回バスに乗り込み、会場へ向かう。

かまくら祭り会場の出店前の人だかり
出店のおもちゃを眺めながら嬉しそうな表情の息子
そりすべりを楽しむ子供達
横手市役所会場近くで巡回バスを待つ観光客達

前日買えなかったおもちゃを手に、息子は満足そうだ。さっそくのそりすべりで、気分は完全復活。出店前には前日よりはるかに多い観光客。電車で来ている人も多そうだった。

予報では降水確率は0%。今日は傘を持たなくても大丈夫だろうと判断。巡回バスの発着場所も事前に確認していたので、迷うことなく列へ並ぶ。

横手小学校、横手公園と回ってきた今回は、最後の会場である蛇の崎川原を目指す。

暖かな光に包まれる蛇の崎川原

オレンジに染まる蛇の崎河原
ミニかまくらと観光客のシルエット
ミニかまくらを眺めながら歩く観光客達
夕暮れの蛇の崎河原を手を繋いで歩く妻と息子

蛇の崎川原には、およそ3,500ものミニかまくらが並ぶという。氷点下に迫る冷え込みのなか、その一つ一つに蝋燭を灯してくれた地元の方々の手間を思うと、ただただ頭が下がる。

河原いっぱいに広がる無数の灯り。それはまるで、地上に降りてきた天の川のようだった。白い雪の上に浮かぶオレンジの光。

冷たい空気と、やわらかな灯りの対比が美しい。これまでにも冬祭りはいくつか訪れてきたが、ここまで丁寧に、時間と労力をかけて作られた景色は記憶にない。

旅には、いつも取捨選択がつきまとう。

限られた時間、限られた体力、その中で何を選ぶのか。一度は諦めかけたこの景色を、もう一度選び直せたこと。それだけで、この旅は十分に報われた気がした。

東北最後の夜、はじめての船上泊

霧に包まれた交差点
霧に包まれたコンビニをバッグにポーズをとる妻のシルエット

ひと昔前の自分なら、復路も迷わず高速を走っていただろう。でも最近は、少しずつ気持ちに変化が出てきた。年々、長距離移動の疲れを実感するようになった。

移動に体力を削るよりも、旅先で楽しむ余白を残しておきたい。今回は往路だけ高速移動。復路はフェリーを選んだ。長期航路でも問題なく過ごせるか、その確認も兼ねて。

横手から秋田港へ向かう道中は濃い霧。視界不良のなかの運転は、正直かなり怖かった。

鮮やかなタワーの麓で車中泊

道の駅秋田港で車中泊
ライトアップされたポートタワーセリオンとハイエース
ランタンに照らされる車内で過ごす妻と息子

道の駅「秋田港」に到着すると、ライトアップされたポートタワーセリオンが静かに佇んでいた。撮りがいのある被写体に、僕だけテンションが上がる。

夜景を楽しめる道の駅はやっぱり好きだ。撮影を終えて車内に戻ると、スマホに夢中の息子。いかにも現代っ子という光景。

取り上げれば怒り狂うのに、灯りを落とすとすぐ寝息。嵐のように感情が上下するのが、なんとも子どもらしくて愛おしい。

こうして、冬の東北旅最後の夜が更けていった。

初めての長期航路、個室の安心感

秋田港で出港を待つ車両の列
窓口手続きが不要になるe乗船券を開設する張り紙

翌朝、道の駅を出てすぐ隣の秋田港へ。事前にダウンロードしておいたe乗船券のおかげで、当日の手続きはスムーズだった。

今回乗る秋田―敦賀航路は初挑戦。週に一度の運航で、いつか乗ってみたいと思っていた。日曜発のスケジュールがちょうど合い、迷わず採用。

車中泊用の寝袋で眠る息子
妻に抱えられながらフェリーターミナルへ向かう眠そうな息子

息子は朝にとても弱い。登園前は毎日のように小さな攻防戦がある。

眠そうな息子を抱えながら乗船口へ向かう妻。ドライバーと同乗者は別々に乗船するため、ここで一旦お別れ。

新日本海フェリーのステートB和室
ステートB和室の洗面台
フェリー個室の窓から外を眺める息子
カップ麺を食べる息子

今回の船旅では「ステートB和室」の個室を予約しておいた。ホテルではベッドを壁側に寄せて並べることが多いが、フェリーは固定式。だから布団で眠れる和室を選んだ。

個室はプライベートな空間が確保できる。子連れでも気兼ねなく過ごせるのが何より嬉しい。ひとり旅の頃は安さ重視でツーリスト一択だった。

でも今は、家族が安心して過ごせることのほうが大切だと思える。

貸し出し用の帽子と制服を身に付けゆうかり乗船の記念撮影をする息子
フェリーデッキではしゃぐ息子

長期航路ということで少し心配していたが、息子はとにかく元気いっぱいだった。船酔いすることもなく、船内を駆け回り、よく笑う。

その姿を見ていると、「本当によく笑う子に育ったなぁ」と、しみじみ思う。一方で、疲れや寝不足、そして少しの船酔いもあったのだろう。妻はダウン。

元気すぎる息子と、ぐったりする妻。旅の後半らしい、なんともリアルな光景だった。

息子と過ごす穏やかな海の夕暮れ

フェリーの窓際の席で折り紙をしながらこちらを向く息子
フェリー船内で飛行機を飛ばす息子
夕暮れのフェリーデッキで空を飛ぶウミネコを眺める息子のシルエット

夕暮れどき、息子とふたりきりの時間。売店で飲み物を選ばせると、迷わず「リボンナポリン」。北海道のご当地飲料で、僕の大好物だ。さすが我が息子。

この時間に、静かに乾杯。最近幼稚園でハマっている折り紙。テーマは飛行機。「よく飛ぶやつ」が条件らしい。折っては飛ばし、折っては飛ばす。夕暮れの通路に人影はほとんどない。

デッキに出ると、空は茜色に染まり、ウミネコが鳴きながら舞っている。その光景を見つめる息子の横顔。まるで時間が止まったような、贅沢で穏やかなひとときだった。

新日本海フェリーレストランの唐揚げ
新日本海フェリーレストランの刺身の盛り合わせ
唐揚げを頬張る息子

回復した妻と合流し、最後の夕食は船内レストランへ。唐揚げと刺身の定食。ありふれたメニューなのに、船の上だと不思議と美味しい。

大きな唐揚げを、ぎこちなくも自分で切り分けて頬張る息子。いつの間にか、手を貸さなくてもできることが増えている。子どもの成長は、本当に早い。

ビールとリポビタンDで乾杯

部屋に戻り、家族三人で改めて乾杯。僕はビール、妻と息子はオロナミンC。敦賀着は早朝5時30分。それでも、車に乗ったまま下船できるのはありがたい。

大阪までは約3時間。途中の道の駅で少し寝直し、昼過ぎに自宅へ帰った。こうして、冬の東北旅は静かに幕を閉じた。

この旅を通して感じたこと

出店の水風船を片手に笑顔の息子
ミニかまくらが並べられた神社に佇む息子
船上デッキで夕陽を眺める息子

こうして、冬の東北を巡る旅が終わった。

念願だった横手のかまくらまつりは、準備不足で凍える夜を過ごすことになった。それでも、もう一度向き合い直し、満足いくまで景色を見られたことは本当によかったと思う。

はやぶさとこまちの連結。息子が喜ぶだろうとは思っていたけれど、まさか涙を流すほど心を揺さぶられるとは想像していなかった。

日々の何気ない言葉を聞き逃さず、これからも息子の気持ちをできるだけ優先していきたい。

森吉山の樹氷を諦めたのも、結果的には良い判断だった。いつかもう少し歩けるようになったら、家族でスノーシューハイクを楽しめたらいい。

往路と復路で移動手段を分けたのも正解だった。長距離運転を避けるだけで、体力的な余裕がまるで違う。時間効率だけを考えれば船旅は決して良くない。それでも、非日常の情緒を味わえるあの時間が、僕はとても好きだ。

長期航路でも息子は船酔いすることなく、終始元気いっぱいだった。北海道や九州など、まだまだ行きたい場所はたくさんある。そのときはまた、フェリーを積極的に使いたいと思う。

家族との時間を大切にしながら、地方の魅力をもっと深く味わう。

そんな旅を、これからも模索していきたい。

今回使ったカメラ機材

Nikon
¥136,182 (2026/01/21 21:53時点 | Amazon調べ)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次