北海道を代表する絶景スポットのひとつ、美幌峠。標高525mの峠からは日本最大のカルデラ湖・屈斜路湖を一望でき、朝焼けや雲海、満天の星空など、時間帯によってさまざまな景色を楽しめる。
そんな美幌峠の頂上にあるのが、道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」。展望台まで駐車場から徒歩数分という立地のため、車中泊をすれば日の出前から景色の変化をじっくり楽しめるのが大きな魅力だ。
この記事では、実際に車中泊をした経験をもとに、道の駅の設備や駐車場の様子、周辺の買い出し・入浴施設に加えて、美幌峠ならではの雲海や星空の魅力を写真とともに紹介する。
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠とは?

北海道弟子屈町にある道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠は、標高525mある美幌峠の頂上に位置し、眼下に日本最大のカルデラ湖・屈斜路湖を望む道の駅。

美幌峠の頂上に設けられた展望台からは、眼下に広がる屈斜路湖を一望できる。天候や時間帯によって表情を変える雄大な姿は、北海道を代表する景観のひとつ。

朝焼けや雲海が見られる早朝の時間帯は特に美しく、展望台からの景色を目当てに多くの観光客が訪れる。

屈斜路湖を覆う雲海をはじめ、刻々と変化する景色を楽しめる撮影スポットとしても人気が高い。早朝にはその絶景を収めようと、多くの写真愛好家が集まる。


道の駅の駐車場から展望エリアまでは、徒歩2〜3分ほど。敷地内の案内に沿って歩くだけで、気軽に美幌峠の絶景を眺められる。

車椅子マークが表示された舗装済みのスロープが整備され、展望スポットの近くまで車椅子でアクセスできるようになっている。
雄大な屈斜路湖の景色を、より多くの人が楽しめるよう配慮されているのが素晴らしい。

展望エリア内には昭和を代表する歌手・美空ひばりの歌碑が建てられている。美幌峠を舞台にした楽曲「美幌峠」にちなんだもので、展望台の一角に設置されている。
| 名称 | 道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠 |
| 標高 | 約525m |
| 所在地 | 〒092-0022 北海道網走郡美幌町古梅 |
| 電話番号 | 0152-77-6001 |
| 営業時間 | 9:00 ~ 18:00(4月下旬~10月) 9:00 ~ 17:00(10月~4月下旬) |
| 定休日 | 年中無休 |
| 駐車場 | 大型:14台 普通車:120台(内身障者用:4台) |
| 食事 | レストランあり |
| URL | https://bihoropass.jp/ |
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠で車中泊してみて
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠で車中泊してみて、現地で感じた魅力や雰囲気をここでは解説する。
壊れかけのサンバーとマイナス15℃の夜

ぼくは元々自転車旅をしていて、北海道の魅力に取り憑かれて移住。そこではじめて買った愛車が、このサンバーディアスクラシックだった。
とにかく見た目で選んだ車なんだけど、半年で4回も故障するようなポンコツ車。そりゃ中古車で年式も古く、20万円の車だから仕方ないけどね。
はじめての北海道の冬を、この愛車と共に車中泊をしながら巡った。そのときの一夜が、この道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠だった。
12月の冷え込みが激しい夜で、気温はマイナス15℃にまで下がった。サイドドアが壊れていて、車内に隙間風が吹き込んでいてまるで雪山で寝ているような感覚になった。
あまりの寒さに眠れなくて、暖を取ろうとキムチ鍋を作って食べた。数日間あまりにも車内の匂いが取れなかったのは今ではいい思い出。

そして翌朝、目の前には白銀に輝く岩場と朝日。あまりにも美しい光景に言葉を失い、北海道へ来て本当に良かったと感じた瞬間だった。
その翌年には手に負えなくなった愛車は手放し、その次の年には北海道を離れた。でもこの時からぼくにとって車中泊は日常になった。
車中泊の原点はどこだったか振り返ったら、間違いなくこの道の駅が思い浮かぶ。そんな想いが強いのが、このぐるっとパノラマ美幌峠だ。
天の川輝く夜と朝焼けに染まる峠の朝

そしてそこから月日が経ち、息子が二歳を迎えた夏に再訪。今度は家族三人で短期の北海道旅の最中にここで再び車中泊をした。
この旅では一週間ほどの休みで、一日あたりの移動距離も長かった。自我がはっきりしてきた息子を連れ、大きな北海道を巡る難しさを実感していた。
色々巡りたい場所がたくさんあったけど、目的を絞って選んだのがここでの車中泊だった。宿泊と撮影場所の距離がかなり近く、限られた旅程の中ではベストの選択だったと思う。

ご飯とお風呂を済ませて道の駅に到着。シーズン前の平日だったこともあり、利用者も少なく落ち着いて車中泊ができた。
ガラガラの駐車場には濃い霧が発生していて、街灯の下ではしゃぐ妻と息子。色々うまくいかないことも多かったけど、家族とこうした時間を過ごせる幸せを実感。

家族が車内で寝静まった頃、ぼくは星空を期待して外に出てみた。空を見上げると、7月なのに空気は澄んでいて、肉眼でもはっきりと天の川を見ることができた。

ぼくにとってはとても珍しい自撮り。天の川が広がる夜空に、ヘッドライトの軌跡が伸びる。こんな写真撮るぐらいだから、テンションMAXなのは言うまでもない。
日本中いろいろ巡ったけど、星の綺麗さは日本でも屈指だと思う。ましてやこれが駐車場から数分歩くだけで見れるのはあまりにも贅沢。

翌朝には少し早起きをして撮影へ向かった。屈斜路湖に浮かぶシルエットになった中島の上には、真っ赤に照らされた雲が広がる。

美幌峠全体を照らす美しい朝日。はじめての車中泊から数年が経ち、季節は巡り、家族も増えたけど、あの時と変わらない美しい光景。
雲海によって表情を変える屈斜路湖

そして美幌峠といえば、雲海の名所としても知られる。特に寒暖差が大きい春・秋に、日の出から早朝に発生しやすいとされている。
さきほどの朝日の一時間ほど前、実は湖の上には低い雲が漂っていた。そこから気温上昇に伴い一気に広がると思われたが、ふっと消えてしまったんだよね。
なので、このあとは雲海にはならないだろうと撮影を終えて、車内に戻って二度寝をしていたんだけど、数時間後に再び外に出てみると…

なんと薄い雲が再び屈斜路湖の上を漂っていた。中島の上には帽子のような分厚い雲、その周囲には霧状の薄い雲が点在している。
さらに視界の先には軍勢のような雲がこちらに向かって押し寄せている。

湖上から這うように徐々に高度をあげる雲たち。美幌峠を走るトラックに近づき、まさに飲み込まれようとする瞬間。

高く上がった太陽により、ぐんぐん気温は上昇。雲は高さを増して、屈斜路湖全体を真っ白な景色へと変貌させてしまった。
手前の岩場からは青空に輝く太陽、そして分厚い帯状の雲海。この下に湖が隠されているとは思えないだろう。まるで北アルプスの岩場から撮影したような一枚。
雲海によって表情をコロコロと変える屈斜路湖が面白い。この景色を車中泊と共に楽しめるのが、この道の駅で過ごす最大の魅力だ。
ただすぐ駐車場に戻れてしまうので、撮影チャンスを逃しやすいのもたまにキズ。
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠で車中泊する際の注意点
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠で実際に車中泊をしてみて、感じた注意点をまとめている。
濃霧による視界不良が発生しやすい

美幌峠は雲海の名所として知られる一方、周辺では霧も発生しやすい。早朝に駐車場に出てみると一帯が霧に包まれて、ひどい時間帯は数メートル先も見えないぐらいだった。
濃霧時は車両からも歩行者を認識しにくくなるため、駐車場内を歩く際も周囲への注意は怠らないようにしたい。特に遮音性の高いイヤホンを着けたまま歩くのは避けた方が安心だ。
ごみ箱は未設置、有料での引き受けは可能

ぐるっとパノラマ美幌峠には、一般利用者向けのゴミ箱は設置されていない。道の駅で購入した商品から出たゴミについては、購入した店舗で無料で引き取ってもらえる。
一方、持ち込んだゴミを処分したい場合は、道の駅施設内にあるセレクトショップ「可不可」で、有料のゴミ回収サービスを利用できる。
料金は1,100円と決して安くない。ゴミを処分するだけの目的で利用するには、少しハードルの高いサービスといえる。
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠の車中泊設備について
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠の設備(主にトイレ・駐車場など)を中心に、写真付きで細かく解説してます。
駐車場|平坦、駐車可能台数は138台

道の駅敷地内に駐車できる台数は、合計138台でかなり広い。内訳は普通車120台、大型車14台、身障者用4台となっている。
全面舗装され、区画分けされていて、平坦なので寝る時も気にならなかった。道路を挟んで向かい側が大型車用になっているので、騒音はほとんど気にならない。

奥側の駐車スペースの方が人気が高い。道路から離れているのと、トイレや売店が近いのでこちらから優先的に埋まっていた。
トイレ|設備充実、内装は清潔感あり

駐車場の奥側、レストハウス建物の隣にトイレがある。入り口にはスノーポールが立っている。外観はレンガ調でやや古さを感じる見た目。




過去に大規模なリニューアルが行われていて、内装は全面板張りでとても清潔感がある。洋式便座は全てウォシュレット。
清掃・管理も行き届いていて、とても気持ちよく利用できた。ぼくは2歳の息子を連れての旅だったので、子供用の小便器があったのもありがたかった。
おむつ交換台やベビーキープも備え付けられているので、赤ちゃん連れの観光で立ち寄っても安心感がある。
ただ、駐車可能台数や人気の高さを考えると規模は小さいと感じる。
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠の周辺施設
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠の周辺施設を紹介。車中泊の前後に必要な買い出しや、お風呂に入れる場所をまとめてます。
食材・飲料の買い出しができる店
基本的には美幌峠周辺には食材・飲料を買い出しできる店はない。美幌峠から周辺の街までの距離は25〜30kmほど離れているので、利便性はあまりいい印象はない。
- セイコーマート 美幌稲美店|約25km
- DZマート 美幌店|約24km
- ツルハドラッグ 美幌店|約25km
- DCM美幌店|約25km
最寄りである美幌町側を中心にリストアップした。反対方面なら弟子屈町の市街地で買い出しを行うイメージになり、店の種類や豊富さはどちらの街でも似たような感じ。
温泉・お風呂に入れる入浴施設
入浴施設に関しても、美幌峠周辺にはお風呂に入れる場所はない。夜に買い出し同様に、美幌町・弟子屈町、どちらかの町で済ませるのが基本になると思う。
和琴半島周辺にある「三香温泉」が最寄りになる。ただここは営業時間がかなり短いので、もし夕方にお風呂に入れるならここが一番おすすめ。
- 三香温泉|約16km
- 峠の湯びほろ|約22km
- 泉の湯|約33km
もし弟子屈方面が都合がいいなら、泉の湯は個人的にはイチオシ。アメニティの備え付けはないけど、200円という激安の料金。
でも買い出しもお風呂も弟子屈方面だと、もはや「道の駅摩周温泉」でそのまま車中泊してしまう方が色々と利便性が良くなってしまうのが悩みの種。
まとめ|屈斜路湖の絶景展望スポット

道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠は、屈斜路湖を一望できる絶景だけでなく、朝焼けや雲海、星空まで楽しめる、北海道でも特に印象に残る道の駅だった。
駐車場から展望台までは徒歩数分。車中泊をすれば、日の出前から刻々と変化する屈斜路湖の景色を楽しみ、夜には満天の星空を眺めることもできる。
周辺には買い出しや入浴ができる施設が少ないなど、利便性の面では少し不便なところもある。それでも、時間や天候によって表情を変える美幌峠の景色をじっくり楽しむなら、ここでの車中泊はかなりおすすめしたい。
ぼく自身、はじめての北海道の冬にここで車中泊をして以来、数年後に家族と再訪するほど印象に残っている場所。朝焼けに染まる屈斜路湖も、夜空に広がる天の川も、車中泊だからこそゆっくり楽しめた景色だった。
美幌峠を訪れるなら、ぜひ一度ここで車中泊をしてみてほしい。昼間に立ち寄るだけでは出会えない、夜から朝にかけての美しい景色を、きっと楽しめるはずだ。


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